水道から赤サビが出るおもな理由としては、「水道管の老朽化」と「受水槽の放置(定期的な清掃が行われていない)」ことがあげられます。
「水道管の老朽化」には、自治体の管理となる水道本管の老朽化と、個人の管理(所有)となる給水管の老朽化があります。
水道本管が赤サビの原因とされるケース
年間約37,000件以上の水道管破裂事故が起きているのが、日本の水道管の現状です。
水道管破裂事故の原因の大半は「水道管の老朽化」であり、この状態を放置していることが、水道から赤サビ(鉄サビ)が混ざった赤い水が出る原因の一つとなっています。
なぜ水道管の老朽化は放置されているのでしょうか?
答えは簡単です。国や自治体に水道管を交換するためのお金が無いからです。
水道管の交換工事にかかる費用は、1m交換する費用として、なんと約15万円もかかると言われています。10m交換したら単純に150万円、200km交換したら300億円になる計算です。
水道管の交換が必要なことは、国や地方自治体も認識していながらも、予算が無いために、“緊急性の高い”破裂した水道管から順番に交換していっているのが現状です。
水道管の老朽化については、2010年4月1日にTBSのニュース番組・NEWS23クロスで放送された「日本の水道管が危ない」という特集でわかりやすく説明されています。(※特集は3回に渡って放送されており、全部で15分程度です。「TBS 水道管が危ない」でYahooかGoogleで検索するとすぐに表示されます。)
個人所有となる水道管(給水管)が赤サビの原因とされるケース
敷地内の水道管の老朽化が、水道から赤サビが出る原因となっている場合もあります。
みなさんもご存知のように、水道本管から敷地内に引き込まれている水道管(給水管)は個人の所有物であり、水道管の維持管理も個人の責任となります。
水道から赤サビが出ているお客様が、管轄の水道局に水質検査を依頼し「水質が良くない(金属の混入が認められる)」という検査結果であったとしても「敷地内の水道管の老朽化が原因」と言われ、自費での水道管の交換を勧められたというご相談は、よくお伺いしています。
仮に敷地内の水道管が老朽化していたとしても、いまの日本国内の水道管の現状を考えると、「敷地内の水道管の交換だけでは、赤サビの混入などの改善は期待できない」ということも十分に考えられます。
受水槽が赤サビの原因となっているケース
マンションや集合住宅に設置されている受水槽が、赤サビの原因となっている場合もあります。
受水槽の清掃に関しては、水道法により1年に1回以上清掃をすると定められています(10m3以上の受水槽の場合)。
しかし、受水槽の管理(清掃)が適正に行われているかどうかは、自治体がチェックする立場にありますが、十分に管理されていない地域も多く見られます。
受水槽は、清掃されずに放置された場合、2~3年で金属部分が錆びたり、塵や埃が堆積するなどの汚れが目立ち始める場合もあるようです。